30代半ばのある日、保険加入の勧誘を受けました。
その際に勧められたのが、本日ご紹介する「米国ドル建てリタイアメントインカム」です。
恥ずかしながらその当時、保険や投資に関して全くの初心者でしたので説明されるがまま悩み…加入しました。
現在どのようになっているのでしょうか。「保険」の概要とともにご紹介します!
当時最低これぐらいの知識があれば、もう少し自分で考えられたのに…という基本的な内容に絞っています。
目次
「保険」には3種類ある!
- 生命保険
- 損害保険
- 第3分野の保険(医療保険、がん保険など)
「保険」は保険業法という法律で定義されており上の3つに分類されるそうです。
今回話題の米国ドル建てリタイアメントインカムは、「生命保険」に区分されます。
「生命保険」には3種類ある!
- 定期保険
- 終身保険
- 養老保険
基本は上の3つですが、それぞれの特殊型があり、理解が難しくなるわけです…。
ごくごく簡単にいうと、
「定期保険」→掛け捨て保険
「終身保険」→満期のない保険
「養老保険」→満期のある保険
となり、
今回話題の米国ドル建てリタイアメントインカムは、「養老保険」に区分されます
米国ドル建てリタイアメントインカムとは?
米国ドル建てリタイアメントインカムは「養老保険」に区分されます。
つまり満期のある保険ですね。
ただ、その中でも「特殊養老保険」といわれる商品になります。
( 貯蓄型保険…とか呼ばれることもありますが、正式な名前ではありません。 )
「養老保険」は、保険期間 (契約開始~満期までの期間) 中、一定の保険金を支払い、一定の「死亡・高度障害保険金」 (亡くなったらいくら支払い…などの金額)が設定されています。
米国ドル建てリタイアメントインカムは、保険期間の途中で、当初に設定する「死亡・高度障害保険金 」を、「積立金 (自分が積み立てた金額+保険会社による運用益)」が超えていく仕組みになっており、超えたあとは「積立金」=「死亡・高度障害保険金」になるわけです。
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つまり、死亡・高度障害にみまわれなければ、自分で積み立てた金額 (を保険会社が運用した金額)を満期後に受け取ることになります。
これが、貯蓄型、といわれる所以ですね。
以上より、米国ドル建てリタイアメントインカムは保険期間の前半は「保険」メイン、後半は「投資」メインの商品といえると思います。
生命保険の運用利回りってどうなの?
米国ドル建てリタイアメントインカムは「保険」+「投資」なので、投資の際の運用利回りはどうなっているのでしょう。
そこで、ポイントとなるのが、「予定利率」です。
予定利率とは、保険会社が契約者から受け取った保険料を運用する利回りのことです。
保険会社により決定されるものですが、例えばそれが2%台とか言われるわけです。(私の契約当時)
メガバンクの定期預金の年利と比較すると非常に高く、定期預金している場合ではない!と思いますよね 。
(注:予定利率は米国債の利回りなどの影響を受け、現在はもっと下がっています)
ただし、「予定利率」というのは、自分の支払った金額がそれだけの率で増えていくのではなく、運用はそれぐらいでやりますよ、というだけで、そこからいわゆる「手数料」がひかれるため、そんな勢いでは積立金は増えないのです。(計算すると1.2-1.6%ぐらいにおさまりそうでした)
解約返戻金の推移
米国ドル建てリタイアメントインカムは、解約返戻金(かいやくへんれいきん:解約した際に支払われる金額) が、支払った金額に対して著しく少ないところ (40%台等) からスタートするため、すぐに解約すると大きく損をするわけです。
なぜって….
これは「保険」だからですね。
支払われた金額 (保険料) 全てを運用していたら会社が成り立ちませんね。「死亡・高度障害保険金」の支払いや、会社の運営経費が必要ですから、それをまず取ってからでないと運用できません。
だから、すぐにお金を返してください、と言っても無理なわけです。
なお、上の「予定利率」は契約時に保険毎に設定されもちろん公表されていますが、
保険料のうち、どれだけを何に割り当てるか (諸経費がどのぐらいで…など)、という詳細は公表されていません。
参考) 私の場合、保険料を支払い続けて9年目でようやく解約返戻金が支払い金額を超え、満期で120%台となるシュミレーションでした…
ですが、解約せずに我慢して続けた方がよいかどうか、は別問題とも言えますのでご注意ください。
例えば、投資資金は無限にはないので、ほかの (よりよい) 投資に資金を割り当てられないというデメリットがあります。
為替リスク
- 予定利率は、積立金が増える率ではないこと
- 解約返戻金が実際の支払金額を超えるのには時間がかかること
この2点のほか、米国ドル建ての場合はもちろん「為替リスク」がありますね。
保険料はドルで決められているので、円安になると円ベースで保険料が高くなるわけです。
また、受け取り金額もドルで決められているので、円高になると受け取り金額が少なくなります。
「ドル建て」にする意味は「円建て」より予定利率を高く設定できるからです。
保険会社も「円」で運用してもなかなかお金が増やせないわけですね…。
為替リスクは一番コントロールが難しいように思いますが、少しでも「変動のリスク」を減らすため、
SMBC信託銀行プレスティアの「マルチマネー口座」を開設し、そこに円高(と自分が思う)の時にドルで定期預金を作っておき、保険料支払い時期にあわせて普通預金に随時戻して、ドルベースで保険料を支払っています。
私の契約している生命保険会社ではこの口座以外のドル建て口座からはドルでの支払いはできません。
なお、満期保険金の受取りの際もこの口座でドルで受け取ることができるので、もし円高だったら…というリスクを少しでも軽減できているのかな、と思います。
払済保険への移行
何等かの理由で保険料の払い込みが難しい…でも解約はしたくない、そんな時の選択肢が払い済み保険への移行です。
それ以上の保険料の支払いは行わずに、そこまで支払った金額をベースに「予定利率」をもとに満期まで運用してくれます。
紆余曲折を経て私は5年目で払い済み保険へ移行しました。
結果は同じで9年目からようやく解約返戻金は支払金額を超えます。
結論:保険と投資は分けた方がよい!?
米国ドル建てリタイアメントインカムについての今回のまとめです。
- 「保険」→「生命保険」→「養老保険」の中の特殊養老保険
- 保険と投資(貯蓄)を組み合わせた商品
- 予定利率は、積立金が増える率ではない
- 解約返礼金(積立金)が支払金額を超えるのには時間がかかる
- 為替リスクの軽減にはプレスティア「マルチマネー口座」の利用が有効かも
以上になります。
今回は保険期間中のことについて記載しましたが、
この保険は満期保険金の受け取り方も色々設定ができます (年金型など)。
最後に私の結論としては…
(よく世間でも言われますが)
「保険」と「投資」は分けた方がよいかも。
- 「保険」:必要なものには掛け捨てで (確率は少ないけど損失が大きいものに対して掛けるのがお勧め)
- 「投資」:インデックス投資
これが現在の私なりの結論です。
私の米国ドル建てリタイアメントインカムについては保険期間がまだまだ続きますので、最終的には(為替変動なども踏まえ)どうなるか分かりませんが様子を見守りたいと思います。